自分の好みの酒で造る 自家製 梅酒のススメ

 今年もあとひと月もすれば梅雨入りですね。あのジメジメとした時期が好きな人はあまり居ないですよね。私も梅雨自体はとても好きにはなれません。ただ、この時期から仕込む私の趣味に興味を持って頂ける方が居るとしたら嬉しいです。カテゴリー「食」燻製に次ぐ第2弾です。

自家製 梅酒のススメ

 「梅雨」というだけあって、梅の実が熟す時期でもあります。私はこの季節に「梅酒」を仕込みます。今では居酒屋などでも定番といえるほど人気のある梅酒ですが、私が最初に仕込んだ10年以上前にはそれほどメジャーなメニューとは言えませんでした。

 梅酒を自分の手で仕込もうと思ったのには色々な出会いがリンクしています。とある地方の友人に古民家を改築したオシャレなBarに招かれました。そこで何となくオーダーした梅酒が驚く程に美味しく、オーナーの方に聞くと芋焼酎をベースにした黒糖梅酒だという事でした。私の梅酒に対する今までのイメージを大きく変えた出会いでした。それからしばらくして別の友人にその話しをしたら、「ウチの庭に捨てるほど生るから作ってみれば?」と。彼の家もまた凄い所でして、庭とは言っても私からしたら「山」なのです。家から外を指して「ここから見える所は全部が庭!」と・・・そんな環境ですので、梅の樹も数えられない程・・・放置していれば鳥の餌になってしまうレベルです。当時は年間かなりの頻度でキャンプに行っていましたので、バイク仲間にも6名程声を掛け、それぞれが自分のチョイスした酒で梅酒を作り呑み比べてみようという話しになりました。

 個々に考えた酒、砂糖、梅の配分で全く違う梅酒を味わう事が出来ます。「自家製梅酒」でググれば作り方はたくさんHITします。アルコール度数、使用する砂糖の種類、浸透圧・・・ここでは細かく説明はしませんんが、難しそうに思えて実際はそれほどでもありません。

 今回は私の「黒糖泡盛梅酒」のレシピを記します。

自家製 梅酒のススメ 梅の実

 まずは梅です。今では友人の庭の物ではなく、南高梅を通販で購入しています。と、いうのも収穫のタイミングと自分の休日が合わなかったりしますので。今ではネットで注文して自分の都合で仕込んでいます。

 実を1時間程水に浸けてアク抜きします。私の場合、これは新鮮だと信じて短時間しか浸けていませんw というか、アク抜き不要説もある位です。長時間浸けていると逆に痛みやすくなると思います。

 アク抜き後、実を一つずつ愛情込めて丁寧にキッチンペーパーで拭き、暫く乾かします。そしてヘタ(ホシ)を取ります。これが残っているとエグ味が出てしまいます。

 容器は普通にスーパーでも売っている4Lの物を使用します。度数の高い酒を使用するとしても容器の消毒はしておいた方が良いと思います。カビで台無しになるのは悲しいですから。梅は1kgです。

 砂糖は黒糖がメインで氷砂糖と合わせて600gです。これは上に書いた浸透圧が関係してきます。溶けやすい砂糖だと梅の実からエキスを取り出す力が弱まります。私はざっくりですが6:4の割合で配合しています。これでも充分黒糖の風味は出ます。

 そして私の選ぶ酒は瑞泉酒造の「青龍」です。3年古酒30度の泡盛です。この酒と出会ったのは冬の東京で、しかもお湯割りでしたw 泡盛をお湯割りで呑むのは初めてだったのですが、これが美味いんです。アルコール度数、砂糖、自家製梅酒を作る話しが出た時に真っ先にこの酒が浮かびました。沖縄縛りで行こうと。

 このように自分で酒の種類から選定して砂糖との配分などを組み合わせて自家製梅酒が完成します。素のままの酒のイメージでいると全く別の味に変身していて驚く事もあります。これが楽しくてたまりませんw

 仕込みを終えたら寝かせます。経験上3ヵ月もすれば梅酒の味にはなります。たまには中身を動かした方が良いとか、そのままの方がとか良いとか言われていますが、どちらでもそんなに変わらないと思います。

 私の場合は半年程寝かせたら実は全て回収します。1年我慢して実を入れていたら苦味が出た経験があるからです。なので半年程で瑞泉の空の瓶に梅酒を移します。この時点からいつでも呑む事が可能です。度数30度を超えていれば長期保存も問題ありません。とは言っても長期保存する前に消化してしまいますけどw

自家製 梅酒のススメ 熟成

 最後に、これは余談になりますが梅酒を作るにはベースとなる酒のアルコール度数は高くなければいけないという情報もありますが、決してそんな事はありません。上の画像は漬け込み直後の左が瑞泉、右はスーパーで売っていた千円程の赤ワインです。ワインの方は度数も低く、長期保存は出来ません。ただ、1カ月もすれば梅の酸味の加わった酒に変身します。これがまた美味しいのです。特に女性にはこちらの方が好評です。

 以上、この季節の私の楽しみ「梅酒仕込み」の話しでした。こちらも最初は試行錯誤の連続、しかも結果がすぐには出ないという作業ですが、やってみると以外と面白いです。細かい説明は省いています。例えば砂糖を少なめにすれば甘さが抑えられるかというとそうでもありません。砂糖は梅の実からエキスを引き出す材料なんです。その砂糖も溶けにくい氷砂糖をなぜ使うのか等・・・そこまで書くとこのGWが終わってしまう勢いなので省略させて頂きました。最初にも書きましたが、作り方は調べればいくらでもHITしますので興味のある方は是非挑戦してみてください!