【セイコー5】 腕時計 SEIKO5の話し ベルト交換 #1 準備編
今回はわりとポピュラーなモディファイ、社外品のステンレス無垢のベルトに交換する作業を書いてみようと思います。このブログの中で、私の趣味の一つにレザークラフトがあるという事を書いておりますが、私の中で腕時計のベルトに革のチョイスはちょっと考えておりません。もちろん、素敵な革ベルトも多数ありますし、とてもオシャレだとも思います。これは人それぞれ使用用途等や好き嫌いもありますし、何とも言えません。私は汗ばんだ時の革が肌に触れる感触がイマイチ好きになれないのです。それと、メンテというほど大げさではありませんが、手軽に水や洗剤で洗って済ませる事が可能な金属製一択です。元がチープな時計なので、普段の手入れにあまり時間を割くつもりはありません。
と、言う事で今回は私がよく購入するステンレス無垢のベルトを用意します。
こちらは「ジェランチャ」という時計の小物を扱うShopの「ステンレス無垢オイスターブレス」という製品の19mmです。価格は¥2500です。ベルトにはサイズがあります。ここでのサイズとは時計本体、ケースにベルトが取り付けられている付け根の部分(横幅)です。金属製のベルトの取り付け箇所には弓カンというパーツがあり、その弓カンがケースとベルトをカバーして隠します。その寸法がケースによって色々あり、ベルトを固定するバネ棒と弓カンのサイズがケースと一致しなくてはなりません。ただ、MODマニアの方々はサイズ違いの弓カンを加工して縮め、ケースに合わせて取り付けるなんて事もしています。その辺りの事は、この先のベルト交換作業の時にでも書こうと思います。
今回はベルト交換前の準備として、純正のクラスプ(バックル)を移植する作業を行います。そのままジェランチャのクラスプを使用しても良いのですが、外した純正ベルトはこの先使い道が無くなるので、使える部分は出来るだけ使用するのが私流です。ただ、この移植作業は一度広げた金属をまた元に戻す作業になりますので、少なからずリスクを伴います。同じ作業をされる方は自己責任でお願いします。
こちらがドナーになるベルトです。クラスプには「SEIKO」のロゴが入っています。
二つを並べてみました。裏から見ると分かりやすいです。上がジェランチャ、下が純正です。純正ベルトは薄い板状の物を巻いて形にしています。ジェランチャの方はステンレスの無垢でクラスプとベルトに保護テープが貼ってあります。届いたままの状態です。
真横からです。厚みの差がよく分かります。このベルトのチョイスも人それぞれの意見があると思います。チープさが好きという人もいますし、軽さが良いという人も。私はベルトから出る装着時のシャカシャカした軽い音が気に入らず、真っ先にベルトを交換してしまいます。
それでは移植開始です。移植に必要な物は、精密ドライバーのマイナスとラジオペンチ、バネ棒外しは無ければ串や楊枝で代用できます。作業はベルト裏側になりますので私は気にしませんが、傷が気になる方はペンチやベルトの作業箇所周辺にマスキングテープ等で養生すると良いかもしれません。
クラスプの調整側の方はバネ棒を外すだけなので、反対側から行きます。画像のベルト中央、クラスプの両足の間にある円筒状の部分をよーく見ると切れ目があります。そこに精密ドライバーを突っ込み、端から端まで少しずつ広げていきます。最初は隙間がほとんど無いので極細のマイナスを使用します。ここはじっくり攻めないとドライバーが曲がってしまうので慎重に。
少し隙間が見えてきたら、大き目のサイズのドライバーに変更してもう少しずつ広げていきます。ラジオベンチの先端が入るほど広がったら仕上げに取り掛かります。クラスプのシャフトが見えています。通常はここまで広げなくてもベルトが外せる程度でOKです。今回は解説用でいつもより多めに広げていますw
摘出完了です。外す時は純正ベルトが今後不要であれば、思い切って広げて良いと思います。しかし、広げる際にクラスプのシャフトに負荷がかかって曲げてしまわないように注意が必要です。シャフトが曲がったままで移植をすると装着時にガタが出ますので、摘出後はシャフトが真っ直ぐかどうかの確認も行います。多少曲がってもペンチで修正できます。
ジェランチャの新品ベルトも同じようにクラスプを外します。そして純正クラスプと入れ替えます。私もよくやらかしますが、ベルトの裏表、クラスプの向き等はしっかり確認します。取り付け完了後に間違いに気づくと、かなりテンションが下がりますw
広げた部分をシャフトに均等に巻き付けていきます。この作業は時間を掛けてでも確実に。しっかりと巻き付けないとシャフトから外れてしまうかもしれません。均等に巻き付けないとガタも出ます。何度か動かしながら確認が必要です。
反対側はバネ棒を外して組み替えるだけです。バネ棒はクラスプから抜く瞬間に勢いよく飛び出すのでしっかり押さえます。
入れる時は最初に下の穴に完全に入れた状態で、上の部分のバネ棒をドライバー等で縮めながら差し込めば、容易に取り付け出来ます。
移植完了です。完全に自己満足ですが、やはり「SIEKO」のロゴがあると全く違って見えます。どうでしょう、このベルトを単体で見て社外パーツに見えるでしょうか?ベルト自体はおそらく大陸製だと思いますが、純正のペラペラなベルトに比べると雲泥の差です。
これでようやくベルト交換の準備が整いました。記事の長さからも分かる通り、結構な集中力が必要になります。私は大体この作業で一区切りつけます。作業の一つ一つを楽しむという事もありますが、長時間取り掛かる精神を持ち合わせておりませんw失敗も増えてイライラしちゃいますから。
今回はベルト交換の準備編という事で、純正クラスプの移植をUPしてみました。次回は実際に本体に取り付けていこうと思います。今回の作業で使用した純正ベルトはジャンク品ストックでしたので、もしそのようなストックが無く、現在装着されているベルトからの移植になる場合は、次回のベルト交換作業の中で最初に行う元のベルトの外し作業を参考にして頂ければと思います。