久々にセイコー5のモディファイです。今回は 【セイコー5】 腕時計 SEIKO5の話し #ドーム型へ風防交換 という事で、注文したサファイアガラスの風防が届いたので交換した模様を書いてみようと思います。
今回のターゲットはSNX121、123の兄弟の右側、黒い方のSNX123の風防を交換します。こうやって正面から見ると分かりづらいですが、左のSNX121はドーム、右の123はノーマルのままのフラットな風防が取り付けられています。
後でまた書きますが、こちらは121で使用しているドーム型(シングルドーム)の風防です。この角度からだと文字盤が歪んで見えます。
こちらは123の純正でフラットな風防です。すっきりとしたシャープな印象です。ベルトをマットなシルバーの物に交換してミリタリー調のつもりで楽しんでいたのですが、ペラペラ感が否めず仕様変更の構想中でした。
結局121同様に風防に丸みを持たせて色違いのアンティーク調にするのが良いかなと思いドーム型に変更する事にしました。画像は3種類の風防です。実はこの121と123は見た目こそ変わりませんが、123の方はケースを交換しています。ベゼルの内径が1mm大きく、風防が30mmです。ケースの変更に伴って最初に交換したのが左の30mmのフラットな風防です。中央のシングルドームは121で使用した物で、袋の中は現在純正のフラットが入っています。そして右が今回交換しようとして注文したダブルドームです。よく見ると29.5mmと記されています・・・誤発注していまいましたw
この3種類のパッケージを見るとそれぞれの形状の違いが分かります。同じドーム型でもシングルとダブルでは文字盤の見え方が変わります。それとドームの高さはシングルの方がよりモッコリした感じになります。
正規のサイズを再発注しました。画像を見て分かる通り大陸製ですので到着に1ケ月ほど掛かります。そして本当かどうかは分かりませんが、「サファイアクリスタル」と書かれています。当然風防に使われるサファイアとは人工物ですが、ここの商品は1枚2千円もしません。それでも2年近く使っている121のシングルドームの風防をルーペで見ても、キズは全く付いていないのでミネラルではないのかもしれません。とにかく私的には満足しているのでこの風防を愛用しています。
フラットとダブルドームの比較です。分かりにくいですが、右のドームに写り込んでいるラインが湾曲しています。ただ、シングルとは違い内側も同じように湾曲しているので中にある物はそのままの状態で確認する事が出来ます。ケースもそうですが121と123で全く同じ仕様にするのではなく、このように微妙に変える事を私は楽しんでいます。
それでは交換作業に入ります。風防交換でケースを単体にします。この作業をマスターすればこの先に時計針の交換や文字盤の交換にも進む事が可能になります。
私はどちらかというと不器用な部類に入ると思いますので、それでも交換出来たのですから皆さんもきっとやれば出来るはずですw 苦労もありますし失敗もあります。それでも完成した時の喜びはかなり大きいです。以前にも何度か書きましたが、やるかやらないかは本人次第です。それでもこんな私でも出来るという事を伝えるのがこのブログのメインのテーマですので・・・
まずはベルトを取り外します。今回はこのチープなベルトも交換しますので暫く会う事も無くなりますw
そしてケースの裏蓋をオープナーで外します。私はAmazonで購入した工具セットで事足りています。その中に必要な工具はほぼ入っていますのでこれで十分だと思います。
裏蓋が外れました。作業終了まで裏蓋は暫く放置しますので宙に舞った埃などが乗らないように裏返しにして保管します。裏蓋にパッキンが見えますが、取り付けの際にラバーグリスを塗ったりする方も居るみたいです。私は一度もここを弄った事はありません。それでも文字盤が曇ったりというトラブルには遭遇していません。
そして次にリューズを取り外します。ここは細かく説明はしませんが、検索すれば画像付きで詳しく説明されているサイトが多数ありますので参考にしてください。軽く説明するとリューズを引いたり戻したりするとそれに連動して動く細かいパーツが画像の位置の付近にあります。そのパーツはリューズを戻した位置でしか目視出来ず、引くと他のパーツの中に隠れます。戻した位置でパーツをよく見ると円形のくぼみがあります。そのくぼみを押しながらリューズを引くと一気に抜けます。私は縫い針の先端を少し丸めた物を使用しています。楊枝などを使用している方も居ますが、折れたり木片が内部に入ったりすると厄介なので楊枝や串は使いません。
リューズが抜けたらケースを表に返しながら軽く叩くと中身が出てきます。ここは力任せに行うと反動で飛び出してきたり、その拍子に文字盤をどこかにぶつけたり針を破損させたりしてしまう事がありますので慎重に。
ケースから風防を外して新品に交換するまではそれほど時間も掛かりませんが、その間でも文字盤の上に埃が乗ってきます。静電気などもあると思います。私はそこら辺にあるもので蓋をして保管します。
そして圧入工具の登場です。この工具は上で書いた工具セットには流石に入っていませんので買い足す必要はありますが、それでも千円~2千円の間位で購入出来ます。
アタッチメントはここに出ているだけではありませんが、一応参考までに。ケースの外径に合うものを土台、風防のサイズに合うものを工具の上部にセットします。
均等に力の掛かる位置にセットしたら風防を外します。外す時はそれほど慎重にならなくても容易に抜く事が出来ます。
片手でレバーを握る程度で取り外し完了です。次に風防を入れ替えるのですが、ここで風防の周り、ケースの内側を良くチェックしてください。ケースと風防の間に薄いパッキンが取り付けられています。風防に付いてくる場合とケースに残っている場合がありますのでチェックが必要です。ただ、今まで何本か交換した中でパッキンがどちらにも無い物もありました。不安ではありましたが圧入時にはピッタリでしたし、風防を入れて使用していても不具合は出ていないのでそんなパターンもあるのかもしれません。
そしていよいよ圧入です。入れる時は均等になるようにしないと風防が斜めになってしまいますので、外す時よりもかなり神経を使います。特にドーム型の場合、風防の外周付近にアタッチメントが当たるようにセットして力を均等に掛けるようにします。
そして工具と風防の間に緩衝材をセットします。人によって何を使うかはあると思いますが、私はビニールで中身の状態を確認出来るようにしながら圧入しています。一気には圧入せず、少しずつ押し込みながらケースと風防の位置を色々な角度から確認しながら作業を進めます。
ここは焦らず慎重に行います。ただ、斜めになったまま進めてどうにもならなくなったらやり直せば済む事なので気長にやるしかありません。無理して進めるといくらサファイアで硬い風防でも限界を超えると割れます。割れてしまうと周りに破片が飛び散りますのでケースの中まで清掃しなくてはならず、余計な手間が増えるだけですので・・・(経験者は語るw)
圧入の作業が終了したら風防の交換作業は終了です。風防の内側に汚れが無いか確認し、そのまま逆の手順で戻して行きます。
私の場合は今回ジェランチャのステンレスベルトに交換もします。左は今まで付けていた他機種の純正ですが、やはりステンレス無垢の質感には勝てません。クラスプはセイコー5の物を移植しました。
SNX123、ダブルドームの風防とステンレスベルト交換の完成です。私的には大満足のMODでした。シングルドームの121とはまた違った良さがあると思います。
久々の時計いじりでしたが、結構楽しく作業出来ました。間は空いていましたが、やはり体は覚えているものですねw 自己責任ではありますが、興味のある方は是非チャレンジしてみてください。このブログが少しでも参考になれば幸いです。